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【こころの薬78】 生はいとしき蜃気楼

九州地方の余震がまだつづき、
被災地の方々の不安な生活がつづいていますが…

あるコラムを読んでいて、
次の詩に、目がくぎづけとなった。


20160417 桜吹雪 21㎝5747


さくらふぶきの下を
ふららと歩けば
一瞬
名僧のごとくにわかるのです
死こそ常態
生はいとしき蜃気楼と




後で、原典を調べてみた。


「さくら」 
     
ことしも生きて
さくらを見ています
ひとは生涯に
何回ぐらいさくらをみるのかしら
ものごころつくのが十歳ぐらいなら
どんなに多くても七十回ぐらい
三十回 四十回のひともざら
なんという少なさだろう
もっともっと多く見るような気がするのは
祖先の視覚も
まぎれこみ重なりあい霞だつせいでしょう
あでやかとも妖しとも不気味とも
据えかねる花のいろ
さくらふぶきの下を
ふららと歩けば
一瞬
名僧のごとくにわかるのです
死こそ常態
生はいとしき蜃気楼と

茨木のり子 1992年作

i20160417 茨木のり子 12㎝ 3440



茨木 のり子は、『櫂 』を創刊し、戦後詩を牽引した日本を代表する女性詩人だそうで、
この感性、素晴らしいですねえ。

とくに 「生はいとしき蜃気楼
という肯定的な表現に、グッときました。

ドラムスコも、「愛しき」蜃気楼の中で、面白おかしく生きてきたんだなあ。

これまで桜吹雪を見るたびに、
女の一生を思い浮かべ…

つぼみは処女のごとく
満開の昼桜は淑女のごとく
満開の夜桜は熟女のごとく
はかなく散って乳母桜
散った後は毛虫が垂れ下がり、
誰も近づかぬ…

などとうそぶいていたドラムスコ
ああ、この感性の差は…

九州の被災地のみなさん、
現実は蜃気楼のようでも、
かえりみれば愛しいと思える日々になることを…








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