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洋画の先駆者 原田直次郎回顧展

日本における西洋画の先駆者、原田直次郎。
ミュンヘン留学時代(1884~1887年)に森鴎外と親交を結び、小説「うたかたの記」のモデルとなったという。

20160221 原田直次郎 14cm

わたしは、2002年重要文化財となった「靴屋の親爺」くらいしか知らなかったが、
この絵の何とも言えない迫力は、一度観たら忘れられない。

20160221 原田直次郎 靴屋の親爺 1886 重要文化財2002年18㎝ 
「靴屋の親爺」1886年

「靴屋の親爺」は、ミュンヘンでの美術アカデミー時代の作品だが、
後にも先にも、これほどの精神性を秘めた作品は少ないのではないか。
(帰国後の代表作の「騎龍観音」は今回展示なし)

ミュンヘン時代の「風景」も、実物を観ると、
その場の空気が伝わってくるような透明感のある表現技術に驚く。

20160221 原田直次郎 風景 1886 B
「風景」 1886年

直次郎が帰国した当時の美術界は、日本の伝統美再評価、西洋絵画排斥のうねりが起こり、
黒田清輝が台頭するまで、西洋画冬の時代を迎えていたという。

原田は、西洋絵画普及のために奮闘し、画塾を開いたが、
主な食いぶちは、森鴎外の斡旋による挿絵や著名人の肖像画によっていたらしい。
肖像画のほとんどは生前の写真をもとに描いているので、「靴屋の親爺」のような迫力に欠ける。

ただ高橋由一像のように、本人の前で描いた肖像画は、やはり存在感抜群だ。
(ちなみに高橋由一は、留学前の原田の洋画の師匠)

20160221 原田直次郎 高橋由一像 1893
「高橋由一像」 1893年

原田は36歳で夭折、現存する作品は30数点と少ない。
今回の回顧展では、そのかなりの作品が集められているので、
原田直次郎という画家を知る貴重な機会。

会場には、ドイツ時代の仲間の絵や画塾の弟子たちの絵も展示されている。
弟子たちが描いた「靴屋の親爺」や「風景」の模写作品を観ると、
原田との技量の大きな差がはっきりしていて、興味深い。

同展は3月27日まで、埼玉県立近代美術館(北浦和)で開催中。
その後、神奈川、岡山、島根に巡回予定。

埼玉県立近代美術館は、今回はじめて訪れたが、
美術館前の公園に、私の大好きな作家の彫像が…

お暇な方は別記を。




20160221 埼玉県立近代美術館 ボテロ 21㎝ DSC03937

ボテロの裸婦像。
南米の作家だが、表現するすべてが豊満、ムチムチに。
スイカの絵なんか、今にも爆発しそうに描く。

やっぱり、この像もいいねえ。
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