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イマイチのマチス展

マチス(Henri Matisse)は、私が最も好きな画家の一人。
そのマチスの「20年ぶりの大回顧展」というので東京都美術館へ。

赤の大きな室内 1948 20cm _DSC5364

「赤の大きな室内」 1948

壁にかけられた絵、テーブルに置かれた花々、床の毛皮…
なんと豪華絢爛な室内なんだろう。
エルミタージュ美術館の「赤の部屋」(赤いハーモニー)も有名だが、
この作品はいっそう洗練されているような気がする。

夢1935 20cm _DSC5323

今回展示されている作品の中では、もっとも好きな「夢」1935。
マチスは完成までに何度も書きなおして、その過程を写真に残しているが、
その変遷をみると、よく気が狂わないものと驚愕するしかない。

夢のための習作 1935 20cm _DSC5327

これは「夢」のコンセプトをまとめるための習作のごくほんの一部。1935年作。
すでに眼が微睡んでいるように見えるのは私だけだろうか?

坐るバラ色の裸婦1935 20cm _DSC5332

今回の作品の中では「夢」の次に好きだった作品。
「坐るバラ色の裸婦」1935年。
削られたり細い直線だけが目立つ裸婦の「豊満な存在感」が見るものを圧倒します。

マグノリアのある静物 1941 enlight cut 21cm _DSC5386

「マグノリアのある静物」1941年の真っ赤なバックにまとめた造形力。
ああパワフルで、おしゃれなマチスだ!

ラフランス 1939広島美術館 18cm _DSC5352

広島美術館にある「ラフランス 1931年」もいかにもマチスらしい作品。

星柄のヴェール1942 21cm monocro _DSC5402

マチスの素描も素晴らしい。これは「星柄のヴェール」1942年。
グングン迫られてもねえ…… ごめんなさい、歳なものでどうかお許しを…

コレット 1950 monocro 18cm _DSC5409

「コレット 1950年」 鋭い直線だけなのに、ああ艶っぽい!

ルーマニアのブラウス1940 16cm 5f33b491cdc5bd82abaca1 (1)

150点余りの展示、もっとも世界一の収録を誇るパリのポンピドーセンターの作品がほとんど。
ポンピドーセンターには5回ほど訪れているので、どの作品も既視感タップリ。
しかも、最大のお気に入り「ルーマニアのブラウス」↑は今回来ていない!

最後のコーナー、つけたしのようなヴァンスの「礼拝堂」内部展示にいたっては、
写真や動画紹介だけで、実際に現地を訪れたことのある私にとっては、何だかバカバカしいコーナー。
ということで20年ぶりの大回顧展を謳うには、イマイチの内容かな。

まあ、好きな「夢」を改めてジックリ観ることができたから良しとしなくちゃね。
そうそう、「バラ色の裸婦」の新発見もあったし…
上皇ご夫妻も19日夕刻に同展を訪れられたという報道が。

上野の東京都美術館で、8月20日まで。



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ワクワクしちゃう!銀座の超レトロビルで水野行雄展

20230421 みずのいくお展 15cmmizuno

きのうは銀座中央ギャラリーで本日(22日)まで開催中の「水野行雄展」へ。

20230421 水野いくお 21cmDSC0701WL-1024x681

水野行雄さんは、
私たちが子供のころ胸躍らせた軍艦イラストの神様「小松崎茂の最後の弟子」といわれ、
艦船以外にもスポーツや音楽のイラストの第一人者。

20230421 水野いくお 21cm284E4596 (2)

たまたま某ライブハウスで、水野さんがペットを吹いていたのがご縁で知りあって、
艦船イラストの第一人者であることをしりました。

20230421 水野 ルイアームストロング 18cm _DSC2507

20230421 水野いくお TP 18cm _DSC2510

20230421 水野いくお展 サックス 19cm_DSC2511

20230421 水野いくお 21cm _DSC2512

20230421 水野いくお 21cm _DSC2513

20230421 水野いくお展 21cm 3729004748201370_n

今回はジャズ関連のイラストも数点出品されており、楽しい構成に。
さらに、愉しいのは画廊のある奥野ビル。
奥野ビルは1933年完成、築90年の知る人ぞ知る「銀座の名物アートビル」。

202230421 おくのビル 18cm _DSC2516 

中にはギャラリーや骨董店が入っており、ドアの開閉が手動式のエレベーターで行き来する。

20230421 銀座奥野ビル エレベーター リフト 20cm_DSC2504

いまでもフランスの古いホテルなどには残っていることがあるが、
超レトロなエレベーター(リフトといった方が?)はまだまだ現役、
いやがうえにもレトロ感を増幅してくれる。

20230421銀座中央ギャラリー 18cm_DSC2514

このビルの4階に、「銀座中央ギャラリー」という名前から想像もつかない古い会場が。
きょうの5時までやってます。まだ間に合います! 時間の間に合う方おいそぎください。


水野行雄展 
銀座中央ギャラリー090-2919-8651
〒104-0061東京都中央区銀座1丁目9-8 奥野ビル4階411号室



美しき「下ネタ」?

ルネサンスの巨匠ボッテチュリの「美しきシモネッタ」を観るために、
竹橋の丸紅本社に併設されている「丸紅ギャラリー」に出かけた。

今回は、この「美しきシモネッタ」一点だけの特別展示。

20221213 ボッテチュリ 美しきシモネッタ 20cm
(La Bella Simonetta 美しきシモネッタ テンペラ画 1469~1475)

モデルのシモネッタ・ヴェスプッチは、ルネサンス時のフィレンツエ随一の美女だそうで、
ボッテチェリの代表作「ヴィーナスの誕生」「プリマヴェーラ(春)」のモデルにもなっている女性。

20221220 Sandro_Botticelli_-ヴィーナスの誕生 21cm

20221220 Botticelli-primaveraプリマヴェーラ 21cm

丸紅がかつてのバブル時代に、画商めいた事業もやっていて、
1969年にイギリスから買い付けたものだといいます。
日本でボッテチェリのテンペラ画は、コレ一点。

目の前で現物を観ると、何とも鮮やかで美しい色、
ツンデレ気味の高潔な表情、いいですねえ。
目の保養になります!

入場料500円、事前予約不要。 2023年1月31日まで


見応え充分、国立西洋美術館の「ピカソとその時代展」

20221206 ピカソ展 18cm  _DSC7078

国立西洋美術館の「ピカソとその時代展」を鑑賞してきました。
ドイツ人の美術商ブルクグリューンが蒐集したピカソの秀作を中心に、
クレー、マチスとセザンヌなど106点を展示、そのほとんどが日本初公開。
これは行かなくちゃ!

ピカソのコレクションは秀作揃い、見応え充分の展覧会でした。

20221206 ピカソ展 ミドリのまにゅきゅあを付けたドラマール1937  20㎝ _DSC7164

とくに好きだったのは、この「緑のマニキュアをつけたドラマーㇽ」。
1936年の作品ですが、何ともおしゃれな仕上がりで、しばらく見とれちゃいました。

20221206 ピカソ展 坐るアルルカン 1905水彩 インク 19㎝ _DSC7080

ベルクさんは、ピカソが大好きだったみたいで、
初期の「桃色の時代」の「座るアルルカン」(1905年)もしっかりコレクション。
これが水彩だとは思えませんね。

20221206 ピカソ展 ギターと新聞1916 18㎝ _DSC7113

これも初期のキュービズムのころの作品。
「ギターと新聞」1916年。 会場に並んで掲示されている盟友J.ブラックの作品か?と間違えるほど。

20221206 ピカソ展 黄色のセーター 1939 20㎝ _DSC7145

これも好きだなあ。 「黄色のセーター」1939年

20221206 ピカソ展 多色の帽子をかぶった女の頭部 1939 20㎝ DSC7149

「多色の帽子をかぶった女の頭部」(1939年)

20221206 ピカソ展 女の肖像 1940 19㎝ _DSC7159

美しく、色っぽいですねえ。「女の肖像」1940年

20221206 ピカソ展  坐って足をふく裸婦 20cm 1921_DSC7124

もちろん新古典時代の作品もキッチリ蒐集。 「座って足をふく裸婦」1921年。

女の頭部1906テンペラ黒インク 18㎝ _DSC7083

アフリカ彫刻時代もしっかり蒐集。「女の頭部」1906年。

20221206 ピカソ展 水差しを持ったイタリア女 1919 鉛筆 19㎝ _DSC7140

女性が変わるたびに変貌したなんて話もありますが、
ピカソほど変貌の激しかった画家はいないでしょうね。
既に10代のころから天才ぶりが知られていますが、
このデッサン「水差しをもったイタリア女」は1919年の作品。描写力、凄いですよね。

20221206 ピカソ展 18㎝_DSC7168

なんとこの展覧会、ほとんどの作品が自由に撮影できます。
おかげで。上記の写真すべて、自分のカメラに収めることができました。
ネットでの事前予約制をとっているので、会場の中も込み合わず、ゆっくり鑑賞できます。

ピカソ以外にクレーも34点、マチス、セザンヌ、ブラック、ジャコメッティなども展示
実に見ごたえのある美術展でした。おすすめです。

1月22日まで西洋美術館でやってます。



国立博物館所蔵の国宝全89点の特別展

上野の国立博物館がオープン150年を迎えて、
所蔵する89点の国宝をすべて展示する特別展
これは行かなくちゃ!

物凄い行列か?と思ったら、入場券はネットでの予約制。
2週間ごとに売り出し、売り出し当日にすんなりとれて、行列なしで鑑賞できました。

20221115  檜図屏風」狩野永徳筆 1590 21㎝

今回の私のNO1は、1590年作、4曲1双の狩野永徳の「檜図屏風」。
とくに右隻4曲、檜(ひのき)の大木のとてつもない重量感と生命力のものすごい迫力に感動。

20221115 国宝展 池大雅 楼閣山水図屏風 右隻6曲 21㎝
20221115 国宝展 池大雅楼閣山水図屏風 左隻6曲 21㎝

20221115 国宝展 池大雅 楼閣山水図屏風 右隻拡大部分 18㎝19473001

NO2は、池大雅の6曲1双「楼閣山水図屏風」。
天衣無縫、南画特有の何ともおおらかな筆、1曲ごとに細部を観ていてまるで飽きない。

20221115 国宝展 尾形光琳  八橋蒔絵螺鈿硯箱(やつはしまきえらでんすずりばこ) 18㎝

尾形光琳の「八橋蒔絵螺鈿硯箱」。 
なんともおしゃれで気品に満ちた硯箱。
このぺったりした写真ではまるで感じ取れないが、ぜひ現物をみてほしいです。

20221115 飛鳥時代の宝物《竜首水瓶(りゅうしゅすいびょう)15㎝

20221115 国宝展 竜首水瓶 頭部18㎝  _DSC6501

20221115 国宝展 竜首水瓶 同部分 天馬彫刻 18㎝ _DSC6502

飛鳥時代の「竜首水瓶」。専門家はこれが今回の国宝展No1の評価だそうで、
竜の首の活き活きした描写や胴部分に描かれた4頭の天馬がまるで生きているよう。

20221115 埴輪 挂甲の武人(はにわ けいこうのぶじん) 15㎝

弥生時代 「埴輪 挂甲(けいこう)の武人」。
これも専門家の評価が高い国宝で、たしかに柔和な顔は気品タップリ。
実物は意外に大きくて、存在感タップリ。

なお今回は残念なことに、私が勝手に国立博物館のベスト国宝と決めている
雪舟の「秋冬山水図」と等伯の「松林図屏風」が、11月13日で展示終了。
まあ数度観ているからいいんですが。 それでも何度観ても身が引き締まる傑作だけに…

20221115 15~16C雪舟 秋冬山水図  17㎝

20221115 長谷川等伯 松林図屏風 16c 21㎝

同展は12月11日まで。(事前に予約申し込み制)
入場券のネット申し込みは、2週間ごとを売り出すのですが、
受付当日なら大体取れるようです。

手描きの逸品入手!アンティーク・リモージュの花文皿

20220925 Limoges Louis作 花文皿34X31㎝ 21㎝ _DSC4723

MAネットオークション(毎日アートオークションのネット版)に
ちょっと目を惹くものが出ていました。
アンティークのリモージュ焼、34cm径手描きの花文皿。

手のこんだブルーの下地のグラデーションがおしゃれ。
金彩の花柄が、なんともリズムカルな筆致で描かれていて、ちょっとアートの香りも。

20220925 Limoges花文皿  louisサイン 18㎝_DSC4821

落札して手元に届いてから気づいたのですが、
花柄に潜むように、ペインターのサイン(LOUIS)も描きこまれています。

艶消しの金彩とブルーのバックが何とも上品な雰囲気を醸し出して…
絵師Louisさんの筆が実に軽やかでおしゃれ、なかなかの逸品じゃないですか。
思いがけない「掘り出し物」です!

20220925 Limoges 盛り付け例 21㎝ _DSC4729

さっそく、季節の果物を乗っけてみましたが、
格調のあるお皿のおかげで、なんだか高級で、より美味しそうにみえます。
ケーキなんか乗っけても映えそう。
このお皿、これから活躍しそうだなあ。

もっとも老い先短い身につき、何回使うことでしょうかねえ。
「あ~た、何考えてるのっ!もう増やさないで!」と、
カミさんにおこられちゃいました。

銀座資生堂中興の祖が残した風景写真

20220519 福原信三「ヘルン旧居 松江」1935 20cm

先日の日本経済新聞の文化欄 白山真理「1930年代 日本の風景写真十選」② 
で目に留まった、まるで絵画のような写真。

福原信三 「ヘルン旧居」 ゼラチンシルバープリント 1935年

島根の松江にある小泉八雲の旧居の階段、柱、カベのタテヨコの線の組合わせが
何とも言えない落ち着いたリズムをきざみ 気品すら感じさせてくれる。

20220519 福原信三 12cm

撮影者は、福原信三。 なんと資生堂の実質的な創業者。
銀座にあった調剤薬局の三男に生まれ、化粧品部門を開設し、株式会社「資生堂」に。
「花椿」の商標も彼の作品だという。

経営者として世界的な化粧品メーカーの基礎を築く傍ら、
アマチュア写真家として写真集も5冊。それも、世界的に評価をうける作品レベル。 
同人組織「日本写真会」を興し、会長として活躍したという。
それが現在、世界に広がる「資生堂文化」のルーツなんでしょうね。

ある意味で、大谷「二刀流」の先駆者ですねえ。