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感動の運慶展

20171103 八大童子 制多伽童子像  1119 19㎝

ようやく運慶特別展に行ってきた。
現存する31体のうち22体が一堂に展示され、運慶フアンにはたまらない展示会だ。

とくに、金剛峯寺に納められた八大童子立像の「制多加せいたか童子」をどうしても観たかった。
1197年ごろ造られたこの立像は、興福寺の「阿修羅」に通ずる、なんとも言えない純な魅力がある。
童顔なのに凛とした雰囲気、斬新な髪形、
ここには写ってないがポッチャリしたお腹が童子を思わせる。
いつまでも見飽きることのない傑作だと思う。

20171103 八大童子 コンガラ童子 16㎝

八体のうち、「コンガラ童子」も魅力いっぱいの仏像だ。
現在でもいておかしくない、ちょっと太っちょの無垢な子供、なんとも長閑な気持ちにさせてくれる。


20171103 無著菩薩立像 1212 16cm

無著菩薩立像(1212年ごろ)は、文句なしの運慶の最高傑作。
2mもある立像だが、写実の中に深い精神性をたたえて、全身から放つオーラに息を呑む。

20171103 無著菩薩 19㎝

慈悲に満ち溢れたまなざし、運慶の天才ぶりがいかんなく発揮されている。

20171103 興福寺 持国天  14cm 

興福寺の四天王も大好きだが、運慶の四天王、とくにこの「持国天」の大迫力も好きだなあ。

20171103 興福寺 多聞天 14cm 

同じく「多聞天」のダイナミックさも好き。 
ヘレニズム文化にもルネッサンスにも劣らない、写実に裏付けられたダイナミックな動き。

20171103 毘沙門天立像 1186 16㎝

静岡にある毘沙門天立像(1186年)も、腰のひねりと強い眼光が迫力満点。

鎌倉時代に、こんな天才が活躍していたことは、日本の誇りだなあ。
同展は、上野国立博物館で今月26日まで。
週末は結構込み合っているようです。平日の午後3時ごろがお勧めかな?



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総花的だが見ごたえ十分 Boston美術館の至宝展

20170905 Boston美術館展 21cm DSC04863

上野の東京都美術館で開催している
「ボストン美術館の至宝展」に行ってきました。

今回の目玉は、ゴッホの郵便配達夫ルーラン夫妻の2点。

201708 Boston フィンセント・ファン・ゴッホ『郵便配達人 ジョゼフ・ルーラン』1888年 21cm 205247
「郵便配達人 ジョゼフ・ルーラン」1888年

なるほど、ゴッホ。 ルーラン夫妻の絵を何通りも描いてますが、
表情と、左手が印象的。とにかく、色がきれいでした。

201708 Boston ・ゴッホ『子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人』1889年 21cm 20161009205806
「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」1889年

背景の繰り返しパターンが気持ちいい。

ほかにもメジャーな作家の佳作や現代絵画、日本に里帰りした傑作やエジプト彫刻などいっぱい。
中でもドラの印象に残ったのは…

201708 Boston ルノアール『陶製ポットに生けられた花』1869年頃 21cm
ルノアール「陶製ポットに生けられた花」1869年

ルノアールの描く花、ほんとうに美しいですねえ。
古典的な筆致なのに、画面の花々が輝いて新鮮に浮きだしてきて、やっぱりルノアール。

20170904 Boston美術館展 ホックニー Hgarrowbyhill1998 20㎝

デビットホックニーの「Garrowby Hill」1998年も素晴らしかった。
うねる道路、畑の区画が鮮やかな色彩で、まるで踊っているよう。まさにホックニーワールド。

201708 boston モネくぼ地のヒナゲシ畑、ジヴェルニー近郊』1885年 21cm

モネの「くぼ地のヒナゲシ畑」もきれいでした。ホックニーとはまた違う、やさしい魅力。

201708 Boston エドガー・ドガ『腕を組んだバレエの踊り子』1872年 21cm -with-arms-crossed-min
ドガ「腕を組んだバレエの踊り子」1872年

ドガの未完成作品。未完ゆえの魅力を感じます。

201808 Boston ジャン=フランソワ・ミレー『洋梨』1862-1866年頃 21cm millet--pears-min
フランソワ・ミレー「洋梨』」1862年ごろ

風景の多いミレーが生涯3点だけ描いた静物画の1点。 小品ですが独特の存在感。

201708 Boston 曾我蕭白『風仙図屏風 』1764年 21cm 22155031
曾我蕭白「風仙図屏風 」1764年

201708 Boston 曾我蕭白『風仙図屏風 』部分 1764年 18cm bubunn soga-shohaku--transcendent-attaking-a-whirlwind-min

Boston 美術館は日本画のコレクションも有名。曾我蕭白の迫力あふれる傑作も来ています。
この写真ではわかりませんが、実際に観ると画面左側の龍の勢いが素晴らしい。


正直なところ、あまり期待しないで行ったのですが、
大好きなエジプト美術から東洋、日本、ヨーロッパ近代、アメリカ、現代美術まで、
同館の各部門からの出典は多少総花的ですが、見ごたえ十分。
お勧めの展覧会です。 10月9日まで。

私は平日の午後2時ごろ入りましたが、混雑も少なくユックリ鑑賞できました。



陶芸の新作 コーヒーカップ

20170901 Cofeecup 18㎝ DSC04774

急に涼しくなりましたが、残暑厳しい時にも、陶芸を休まず…

汗だくになりながら造った新作は、
織部とV5の釉薬を吹きつけ二重掛けしたコーヒーカップ。

淡緑から白のグラデーションが、思ったよりきれいに仕上がり、
淵の土の色がアクセントになって、使えそう。

タイの至宝 ウオーキングブッダとラーマ2世の大扉

国立博物館で開かれている「タイ 仏の国の輝き」特別展に行ってきた。

タイの至宝がたくさんやってきたが、目玉展示は
12~3世紀に造られたナーガ上の仏陀坐像
14~15世紀の「仏陀遊行像」
19世紀の「ラーマ2世作大扉」

20170816 ナーガ上の仏陀坐像2 18cm
ナーガ上の仏陀坐像

ナーガはコブラの形をしたヘビの神様、イケメンの仏陀の瞑想を守っている。
穏やかで気品あふれる仏像です。


20170816 Walking Budda 18cm 94413931fb90b172
仏陀遊行像 

「Walking Budda」と呼ばれるスコータイ時代の優雅な仏像。
右足を少し浮かして、穏やかな表情で天界から降りてくる様子を表しているそう。

20170816 ラーマ2世の大扉 15㎝ DSC03905
ラーマ2世作の大扉

バンコクの大仏殿ワットスタットの入口にある高さ5.6mのチーク材の大扉。
ラーマ2世自らノミを手にして何層にも刻まれた壮麗な彫刻。

20170816 ラーマ2世の大扉 アップ 18㎝DSC03907

層を重ねて草花や動物たちを精密に彫るために、さまざまな特殊なノミや道具が使われ、
二度と同じものができないように、使われた道具はすべて川に捨てられたといいいます。

これらはタイでは門外不出の国宝となっていて、この機会にまとめて鑑賞できるのはラッキー。
今月の27日までやってます。


陶芸の新作 備前 火襷の中皿

20170618 備前 火だすき 21㎝ DSC01218

陶芸の新作は、備前火襷(ひだすき)の中皿(24cmX10cm)。
前回、備前火襷の中鉢の出来が気にいって、中皿に挑戦してみました。

本焼では、釉薬を用いずに、藁(わら)をたすき掛けにして、柄を出すのですが、
巻きつける藁の量や藁と陶器との触れる距離で、柄の出方が微妙に変化。
焼きあがるまで、絵柄が想像できない面白さがあります。

皿の中央に黒い丸柄が出ているのは、
アクセントをつけるために、そこだけに藁を固めて置いたから。


20170618 備前 火襷 21㎝  DSC01226

蒔いた藁が多すぎて、少し厚めに色が出ましたが、これはこれで使えそう。
白身の刺身やイカ刺しなんかが合いそうかな?

20170618 備前 火だすき 21㎝ DSC01225

こちらは藁の量が少なかった分、明るく出てますが、
皿に載せるものによって、使えそう。
串団子を5~6本乗っけたら、美味しく見えるかな?

それにしても、赤の発色がちょっときつめ。
ということで、別の皿で発色を抑えめに藁をゆるく縛って焼成してみました。

すると、今度は、

20170714 備前 火襷 21cm DSC02434


サッパリとしたおとなし目の柄が出て…
こっちのほうが備前火襷っぽいかなあ?
ちょっと上品すぎるか? 食べ物を乗せたら、これもいいか?

藁(わら)の締め加減だけではなく、焼成するときの気温や湿度によっても発色が違う。
なかなか、納得できるものが焼きあがらない。
陶芸は奥が深いなあ。

「世界一美しい素描」 ダビンチ ミケランジェロ素描展

20170707 レオナルド少女の頭部 岩窟の聖母の天使のための習作》1483-85年頃20170331_00

世界で最も美しい素描といわれる
レオナルドダビンチの「少女の頭部」1483年ごろ 
が三菱1号館美術館に来ている。

さっそく、ルネサンスの2大巨匠の素描や書簡を中心に65点を集めた
「レオナルド×ミケランジェロ展」へ行ってきた。

上の「少女の頭部」は下の「岩窟の聖母の天使」のための習作だそうで
思ったより小さな作品。
それなのに、画面から溢れるような気品に驚かされる。

Leonardo_Da_Vinci_-岩窟の聖母の天使_(Louvre)
(右側の女性の素描。この絵はルーブル美術館所蔵 同じ構図がロンドンナショナルギャラリーにある)


20170707 ミケランジェロ レダと白鳥の頭部のための習作1530年頃 20㎝ 20170331_01

対比して展示されている、ミケランジェロの素描「 レダと白鳥の頭部のための習作」1530年ごろ。
当時はアトリエで働く男性がモデルになったそうで、たしかに中性的。
左にまつ毛を伸ばした女性っぽい眼のスケッチがおもしろい。

20170707 レオナルド老人の頭部1510年頃 18㎝0170331_09

ダビンチは弟子に、顔を描くときにその人の内面まで表現することを説いていたそうだが、
この「老人の頭部」1510年は、内面表現が素晴らしい。

20170707 ミケランジェロ 河神 21㎝ mikeleo_20170331_05

ミケランジェロは、作品を彫る前に、蝋で彫刻モデルを創り、
工房に示して石を大まかに削らせたという。 そのひとつ「河神」の彫刻モデル。1525年ごろ。

20170707 ミケランジェロ イサクの犠牲1535年頃 18㎝ 20170331_06

ミケランジェロの「イサクの犠牲」の習作。1535年ごろ。

他にも数十点の素描や書簡などが展示されているが、
なんと言ってもハイライトは、冒頭に紹介した2点。
これだけでも観に行く価値がある。

20170707 三菱1号館美術館 21㎝DSC02169

ところで会場の三菱1号館美術館は、もとの三菱銀行のレンガ造りの建物を改装したもの。
丸の内のど真ん中に、きれいな中庭ができていて、そよ風が吹いてきもちがいい。

20170707 カフェ1894 21㎝ DSC02186

美術館の建物にあるCAFE1894は、銀行の店舗を改造してCAFEにしているが、
高い天井のレトロな雰囲気はなかなかなもの。

20170707 Cafe1894 cafelate 17cm DSC02187

ここでカフェラテを飲むのが女性には人気なんだとか。
どうりで、回りは女性ばかりだったなあ。

なお、同美術展は9月24日まで。 1600円だったかな?









新作は期待以上の仕上がり! 備前火襷の茶碗

20170616 備前火襷 茶わん 正面 21㎝ DSC01286

陶芸を初めて、はや10年近く。
生来の粗忽さで、肝心なところで集中力を欠いて、
納得できるものがなかなかできません。

ところが今回の、備前火襷(ひだすき)焼きの茶碗。
期待以上の仕上がりに、思わずにんまり。

20170616 備前火襷 茶碗 21㎝ DSC01279

火襷は、本焼のときに釉薬を使わず、藁をまいて赤く発色させる技法ですが、
焼きあがってみないと、その発色効果がわかりません。

ところが、今回の茶碗、期待以上の発色
長くやっていると、ポテンヒットがあるものですねえ。


20170616 備前 火襷 茶碗 上 21㎝ DSC01290

見込み部分も、私に似ず上品な景色。

20170616 備前火襷 茶わん ヨコA 21㎝ DSC01331

側面のすっと引かれた一本の力強い線も、いいアクセント。
手彫りを加えた側面がいい景色を出してます。
この線が一番好きかな。

まさに火襷の特徴が生かされた作品になったなあと、自画自賛。
こういうことがあるから、苦手でも続くのでしょうねえ。